なんだか急に愛猫が『食欲がなくなった・・・!』『嘔吐して心配・・・!』なんてことはありませんか?すごく心配になってしまいますよね。もしかしたら消化器系の病気や胃腸炎にかかっているかもしれません。
突然の事だと焦ってしまいますが少しでも知識を持っておけば、あわてずに対処する事ができます。
今回は、胃腸炎になった際に選ぶ基準と、おススメのキャットフードについてご紹介していきます。
猫の胃腸炎とは?
猫の胃腸炎は、消化器系の炎症です。軽症であれば2日ほどで自然に治ります。
胃腸炎の症状
- 下痢
- 嘔吐
- 食欲低下
- 血便
などが主な症状です。
軽度の胃腸炎は、下痢をしても食欲があり元気に見えます。また、嘔吐も回数は少なく、こちらも食欲があるので、なかなか分かりづらい場合が多いです。
たかが下痢、されど下痢と軽〜く見てたらこういった病気の可能性があるから侮るんじゃニャいよ
猫ちゃんの下痢でお悩みの方はこちらの記事が参考になります。
胃腸炎になる主な原因とは?
- 細菌感染
- ウイルス感染
- 寄生虫感染
- 食事性
- 中毒
などが主な原因です。例えば、
- 腐ったもの
- 食べ慣れていないもの
- 脂肪分が多いもの
などを食べると、胃腸炎を引き起こしやすくなります。
また、食べ慣れているものでも、食べ過ぎてしまうと胃腸炎になってしまいます。
おやつの【ちゅ~る】も食べ過ぎにご注意です。
寄生虫感染の原因となる寄生虫は2種類あります。
①ジアルジア
これは、小腸の内壁に棲みつく寄生虫です。
大人の猫は無症状が多いですが、子猫は下痢が主な症状になります。症状が重くなると体重が減少し、発育不良の原因になります。
②コクシジウム
猫が獲物と共に飲み込むことがあり、人間にも感染する可能性がある寄生虫です。
健康な猫は感染しても発症しませんが、ストレスなどで免疫力が低下すると発症し、さまざまな症状を引き起こします。
ジアルジアと同様に大人の猫には無症状が多いですが、子猫は水溶性の下痢が主な症状になります。
また、他の感染症と重なってしまう重複感染や症状が重くなった場合では、
- 血便
- 脱水
- 貧血
- 栄養失調
- 体重減少
などの症状を引き起こします。
重症化する前に、まずはかかりつけの動物病院を受診しましょう。獣医師は薬を処方し、その後の経過を見るのが一般的です。
そういえばジュリエットって今年で何歳だっけ?
猫ちゃんの嘔吐が心配な方はこちらからどうぞ。
胃腸炎はどのように予防すればいいの?
まず、猫が過剰なストレスとなる状況・環境を避けることが大切です。
猫は、急激な環境の変化に、とてもストレスを感じてしまう動物だからです。
これから新しく迎える猫や動物、家族がいる場合は特に注意してあげましょう。
少しずつ様子を見ながら近づけるなどの工夫が必要となります。
また、猫は特定の食べ物に対して下痢や嘔吐を起こす場合があります。普段と違うものを食べさせた時は特に、軟便・下痢・嘔吐がないか注意する必要があります。
生卵、生肉、骨
チョコレート、カフェイン入り飲料
アルコール、生のパン生地
牛乳、乳製品
ブドウ、レーズン
ドッグフード
ネギ類(玉ねぎ、ネギ、ニラなど)
タマネギ類に含まれている「アリルプロピルジスルファイド」などの成分が、赤血球を破壊し、血尿、下痢、嘔吐、溶血性貧血、ハインツ小体性貧血などを起こす可能性があります。
犬と比べると危険性は少ないとされていますが、急性腎不全を起こす可能性がありますので、要注意です。
また、ネギ類そのものを口にしなくても、スープやハンバーグに入っているものでも危険性は変わりません。
もし、調理中や食卓に、ネギ類を使った料理が並べられたら、猫を遠ざけてください。
生卵、生肉、骨
生卵、生肉を摂取した場合、人間と同様「サルモネラ中毒」や「大腸菌中毒」を引き起こす可能性があります。そしてこれは、人間にも感染します。
これらに感染してしまうと、嘔吐、下痢、無気力などの症状が現れます。
また、骨を食べてしまうと、喉に詰まったり、消化管が傷ついたり、歯を痛めたりする恐れがあるので、避ける必要がある食べ物の一つです。
チョコレート、カフェイン入り飲料
【チョコレートは犬にとって命に関わる】という話は一度は聞いたことがあるかと思います。実は、猫にとっても有害な食べ物です。
カフェインやテオブロミンという、チョコレートの原料である「カカオ」に含まれている成分が犬や猫にとって有害な物質なんです。
カフェインは、動機、過度の興奮、不整脈などの症状を起こします。
テオブロミンは、犬や猫にとって排出・分解する力が弱く、長時間体内に留まってしまう為、中毒症を引き起こします。
もし食べてしまった場合は、1〜2時間後は、落ち着きがなく興奮状態になります。
2〜4時間後には、嘔吐、下痢などの症状を起こします。呼吸の乱れ、不整脈などが現れる場合もあります。
重症化してしまうと、全身痙攣を起こし、最悪死に至るケースもあります。
アルコール、生のパン生地
猫は元々アルコールを分解する酵素を持っていません。なので、一度摂取してしまったアルコールは、長時間体内に循環し悪影響を及ぼします。
猫は人間とは体の構造も違いますので、ほんの一口だけでも、死に至るケースがあります。
もし、飲んでしまった場合
- 意識が朦朧とする
- 昏睡状態に陥ってしまう
- 嘔吐物が喉に詰まり窒息
- 心肺機能の制限
などの症状を起こします。
肉食動物である猫は、穀物を消化することが苦手なため、パンも与えない方がいいでしょう。
牛乳、乳製品
牛乳に含まれている乳糖を分解する「ラクターゼ」という酵素が少ないため、下痢を起こしてしまう猫がいます。
飲んだからといって必ず下痢になることはなく、個体差によって、下痢にならない猫もいます。
また、猫も乳製品でアレルギーを起こす場合もあります。乳製品を飲んでから5〜10分くらいで下痢、嘔吐の症状が出てしまったら、それはアレルギー症状かもしれません。
ブドウ、レーズン
猫にとって危険かどうかはハッキリとは判明されていません。
ある程度危険と分かっているのは犬だけで、犬について危険なら、猫も危険である可能性が高いと言われています。
ブドウの危険性については、最近指摘されたことなので、あまり確かなことは分かっていません。指摘されているのは、
- 嘔吐
- 下痢
- 食欲不振
- 意識が朦朧とする
- 尿の量が多く、症状が進むと尿が出なくなる
などの症状を起こす可能性があります。
ブドウでもいろいろな種類がありますが、どの種類でもブドウ中毒を起こす危険があります。
ドッグフード
少量なら問題はありません。しかし、食材がそのまま活かされているウェットフードには注意が必要です。
雑食である犬とは違い、猫は肉食です。犬にとっては身体に良くても、猫にとっては身体に害を与えてしまう場合もあるからです。
猫が体内で生成できないタウリンがドッグフードでは摂取できないため、眼、心臓、肝臓などの病気にかかる可能性があります。
なんてことになってしまうんですね
無知とは時に恐ろしいものニャから、僕たち猫を飼うならある程度の知識は必要だにゃ〜
猫ちゃんに多い病気のひとつに【膀胱炎】があります。対処法もご紹介しています。
胃腸炎になった際に選ぶキャットフードのポイントは?
では、もし胃腸炎になってしまったら、どんなキャットフードをあげればいいのでしょう?おススメのキャットフードをご紹介していきます。
吐かないキャットフードを選ぶポイント
胃腸炎の症状の一つの嘔吐ですが、キャットフードが元から合っていない事が挙げられます。
まずは、食べても吐かないキャットフードを選ぶポイントを3つご紹介していきます。
①穀物不使用
猫の身体は、動物性タンパク質を必要とする肉食動物のため、穀物が消化しにくい構造となっています。
トウモロコシ、小麦などの穀物が多く使用されているキャットフードを与えてしまうと、消化出来なかったり、嘔吐したり、アレルギー反応が出てしまうかもしれません。
もし何回も吐いてしまうようでしたら、穀物不使用のキャットフードを選ぶのがおススメです。
④無添加
キャットフードに使用されている添加物ですが、中には発がん性のリスクが高い添加物が含まれています。
なぜ身体に悪い添加物が使用されているのでしょう?
大きな理由のひとつに酸化を防止する目的があります。
ドライフードの場合、すぐに腐敗するわけでは無いのですが、油脂類が多く使用されているため、酸化しやすくなってしまいます。
もし使用されなければ、
- すぐに酸化する
- 嫌な匂いがする
- 味も悪くなってしまう
- 食べてくれなくなる
という事態になります。では、その他にはどんな添加物があるのでしょう。以下にまとめてみました。
添加物のタイプ
栄養バランスを整える |
|
品質管理 |
|
色・質感を出す |
|
中でも危険とされる添加物は、
- 保存料
- 酸化防止剤
- 着色料
などと言われています。なるべく、添加物が少ないキャットフードを選ぶ事が大切です。
キャットフードの添加物について、こちらで詳しく解説しています。安全なキャットフードもランキング形式でご紹介しています。
③粒が小さめのサイズを選ぶ
多くの猫は、あまり噛まずに丸呑みで食べてしまうため、大きすぎると噛みきれず、吐いてしまいます。
口が小さい子猫に限らず大人の猫も、大きめのキャットフードは小粒に比べ、食べづらいといえます。
しかし小粒すぎると、食欲のある大人の猫は食べ過ぎにより吐いてしまうこともあるので、回数を増やし、小まめに与えることによって、吐く事を防ぐことができます。
血便、下痢になった際に選ぶポイント
次に血便や下痢の場合は、原因の一つとして消化がうまく出来ずに胃腸に負担がかかっていることが考えられます。
この場合の選ぶポイントを2つご紹介します。
①良質なタンパク質を主原材料としている
最も消化されやすいのがタンパク質ですが、一般的なキャットフードには、穀物が多く使用されています。
穀物は炭水化物なので、消化されにくく、胃腸に負担がかかりがちです。その結果、血便や下痢の原因になります。
できるだけ穀物が主原材料ではなく、タンパク質の割合が多いキャットフードを選びましょう。
②腸内改善やストレスを改善する成分が入っているものを選ぶ
引越しや、リフォームなど環境の変化によるストレスが原因で、下痢になる事があります。その場合、ストレスの原因となることは取り除きたいですが、なかなかそうもいかない事情もあると思います。
出来るなら、キャットフードで普段から腸内環境を整えておきたいところです。
穀物不使用のグレインフリーのキャットフード、おススメ6つをご紹介しています。
胃腸炎にオススメのキャットフード3選
少量でも必要な栄養が摂取できるVet Solution
こちらの商品はイタリア最大のペットフードメーカーが、大切なペットの健康のために開発した、グレインフリーの食事療養食です。
胃や腸による消化の負担を軽減し、少量でも必要な栄養素を摂取できるように、高エネルギーな設計となっています。
胃腸の疾患がある猫に、成分が特別に調整されています。
成分
代謝エネルギー(100g) | 398kcal |
たんぱく質 | 30.0%以上 |
脂質 | 18.0%以上 |
粗繊維 | 7.0%以下 |
灰分 | 8.9%以下 |
水分 | 10.0%以下 |
給与方法/推薦給餌量(1日あたりg)
成猫の体重(kg) | やせ型 | ふつう型 | 体重過多 |
2 | 30 | 25 | 25 |
3 | 40 | 35 | 30 |
4 | 45 | 45 | 40 |
5 | 55 | 50 | 50 |
6 | 65 | 60 | 55 |
7 | 70 | 65 | 60 |
8 | 80 | 75 | 70 |
9 | 90 | 80 | 75 |
10 | 95 | 90 | 80 |
食事療法食は、専門知識が必要です。自己判断せず、まずは一度かかりつけの動物病院で相談してからあげるようにしましょう。
穀物不使用のピュリナワン
ピュリナワンの特徴
- 肉食の猫に必要な動物性たんぱく質を多く含んでおり、新鮮なチキンの肉を第一主原材料に使用されている
- 穀物を使用してないので、苦手な猫やアレルギーがある猫でも食べられる
- 「やわらかほぐし粒」と「美味しいカリカリ粒」の異なる粒の組み合わせによる食感のバラエティがある
成分
代謝エネルギー(100g) | 413kcal |
たんぱく質 | 35%以上 |
脂質 | 14%以上 |
粗繊維 | 2%以下 |
灰分 | 9%以下 |
水分 | 12%以下 |
給与方法(約70g)
猫の体重 | 1日の給与量 |
2〜3kg | 30〜45g |
3〜4kg | 45〜60g |
4〜5kg | 60〜70g |
5〜6kg | 70〜90g |
6〜7kg | 90〜100g |
上記の量を2回に分けて与えてください。
また、表の給与量でも体重が増加したり減少した場合は、量を調節してください。
腸内環境を整えるフローラケア
免疫維持、腸内環境を整える
- プロバイオティクス(納豆菌・酪酸菌)
- プレバイオティクス(オリゴ糖・食物繊維)
- バイオジェニック(殺菌乳酸菌・DHA)
を配合した総合栄養食です。
成分
代謝エネルギー(100g) | 370kcal |
たんぱく質 | 35.0%以上 |
脂質 | 13.0%以上 |
粗繊維 | 4.0%以下 |
灰分 | 9.0%以下 |
水分 | 100%以下 |
給与量(1日の目安)
体重 | 1〜2回/日 |
2〜3kg | 45〜60g |
3〜4kg | 60〜75g |
4〜5kg | 75〜90g |
5kg〜 | 90g〜 |
上記の給与量は、愛猫の年齢、運動量、飼育環境によって異なりますので、あくまで目安として、便の状態、体調などを考慮して与えてください。
日本産・穀物不使用のグレインフリー・お腹にやさしい成分配合・獣医師監修の【レガリエ】もおススメです。こちらで詳しく解説しています。
まとめ
- 猫の胃腸炎は、軽症であれば2日ほどで自然と治る
- 人間にとっては無害でも、猫にとっては有害だったり、最悪死に至る食物がある
- キャットフードを選ぶ際は、穀物不使用や腸内環境を整えてくれる成分が入っているものを選ぶ
- 1日の給与量は、あくまで目安として様子を見ながらあげる事が大事
ある日突然、愛猫が下痢や嘔吐をしてしまったら焦ってしまうものです。でも、少しでも知識があるのとないのとでは、大きく違います。下痢や嘔吐から始まって胃腸炎になったりしますので、軽く考えず、まずは動物病院の受診をおススメします。ぜひ今後の参考にしてみて下さいね。