猫に薬を飲ますのって難しいですよね?先日、ジュリエットに飲ませようとしたら大暴れされちゃいました。飲ませないわけにはいかないし、ちゅ~るにくるんで食べさせようとしたらバレて食べないで逃げられちゃいました。
猫の敏感さと敏捷さはこういう時には本当に面倒ですね。手早く飲ませるための上手い方法が無いか調査してみました。
まずは薬について動物病院に聞いて見よう
同じ薬でも大きさや形状、味など複数の種類があります。飲む猫と飲ませる飼い主が得意な形状を選ぶ事が簡単に薬を飲ませる第一歩になります。
色々なケースがあります。在庫が無かったり、製薬メーカーの都合で変わったり、投薬間隔が飼い主の生活リズムと合わなかったり、値段が高かったりと色んな理由で薬を選ばなきゃいけないですからね。
溶けるタイミングを調整している薬の場合、砕くと全然効果が無いどころか、予期しない副作用を起こす事があります。また特定成分に反応する薬もあります。
味の違いも投薬の難易度を変えます。例えばこんな嗜好性を高めた薬もあります。
この薬には猫が大好きな味がついていて、手から食べるどころか、おかわりをねだられる事もあります。
動物病院専用の投与用ちゅ~るや投薬補助食品を出してくれる事もあります。
投薬用ちゅ~るは通常のちゅ~るより粘度が高く、マスキング効果が高いので少しの量で薬を包む事が出来ます。添加物や塩分を気にされる方にもおすすめです。開封後は冷蔵庫で保存し早めに使い切ってください。
またシリンジも水薬や粉薬を溶く時にあると便利ですが、必要な時に限って家に無い事が多いです。持っていないと伝えると使い捨てのシリンジを出してくれる病院もあります。投薬が長くなりそうな時は、猫や薬に合わせたシリンジやスポイトを買いましょう。
この商品は流動食用のシリンジです。ちゅ~るが丁度一本入るタイプなので、ちゅ~るで投薬する方におすすめです。煮沸消毒が出来て繰り返し使用が可能な上に先端の変え部品が売っているので経済的です。
こちらのタイプの特徴はノズルが曲がっている事によって、口の横からシリンジを差し込んでも直接喉奥を狙う事が出来る事です。味を嫌がったり、薬を吐き出す猫に向いています。先端部を切り落とせるので体型に合わせた調整が出来ます。
シリンジを使う時は必ず座っているか立っている姿勢にしましょう。身体や顔を横に倒した状態だと誤飲の可能性があります。誤飲は痛さや苦しさで投薬に悪いイメージがつくだけで無く、肺炎や呼吸器疾患になる可能性があります。絶対に避けてください。
実際に保定の仕方や投薬の仕方を実践で教えてくれる病院もあります。動画などでは伝わりづらい臨場感や個体差にあった方法を実践してもらうと、後で動画などを見た時に把握しやすくなります。
ですが、動物病院で慣れている人がサポートについてくれる時とは異なり、慣れない人が猫に嫌がるモノを与えるのは大変な事です。通常の投薬方法で上手くいかなかった場合は色々手を尽くしてみましょう。
チュールに混ぜて薬をあげてみよう
まずは猫が好んで食べるチュールタイプを少しとり、粉薬か水薬の場合は混ぜて、錠剤の場合はチュールで包んで差し出してみます。薬ごと食べたら成功です。
ちゅ~るを使っても錠剤を飲まない
錠剤を嫌う猫は意外と多いです。その場合は砕いて小さくすると誤魔化しやすくなります。100円ショップなどですり鉢とすりこぎを買ってきても良いですが、もっと便利な道具もあります。
ピルクラッシャーと呼ばれる薬を砕く専用の道具があります。また、獣医師から薬を半分や4分の1にして与えるように指示がある時もあります。そういうときはピルカッターを使うと楽に分割できます。
また、薬を砕く機能とカットする機能の両方を備えた物もあります。
短期間の投薬ならなくてもどうにかなりますが、長期間の投薬になると少しでも時間を短縮できる便利な道具を使う事をおすすめします。投薬は飼い主にも負担を強いるので楽できる所は楽をしましょう。
いつもと違う味に気付いて飲まない
薬の味が気になって飲まない猫にはオブラートを使うと良いでしょう。
オブラートに薬をできる限り小さくつめて、チュールをまぶしたら直ぐに与えてください。時間がたつとオブラートが溶けてしまいます。上手く飲み込んだら成功です。
錠剤を飲む事が出来る猫の場合、空のカプセルに詰め替える方法もあります。サイズは色々ありますが、喉を通りやすい小さめがおすすめです。素材も植物性とゼラチンがありますが、主食に多く含まれているゼラチン製を選びましょう。
チュールを使っても飲まない時
投薬用の補助食品を上手く使おう
チュールに混ぜても駄目なら他の方法があります。その一つが投薬用の補助食品を使う方法です。
わかってる、ちゃんと説明するから睨まないで
注意する点があります。薬を触った手で補助食品を触らないようにしましょう。匂いに敏感な猫はわずかな匂いで感づいて食べなくなる事があります。
味が選べるタイプや獣医師監修タイプ、チューブタイプがあります。味や大きさで猫の食いつきが変わります。好みが出るので補助食品を使う量を調整したり、好きそうな味を探してみましょう。
メディボールは獣医師と共同開発された補助食品です。ささみ、かつお、チーズ味から選ぶ事が出来ます。柔らかく薬によく張り付くため、薬だけ吐き出される事が少ないです。犬用もあるので間違えて買わないように注意しましょう。
グリニーズ 獣医師専用 ピルポケットは、薬を入れる穴が空いたチキン味の補助食品です。薬を入れた後、上部をつまむだけで簡単に薬を包めるので、匂い移りが少ないです。こちらも犬用があるので間違えないようにしましょう。
おくすりちょーだいは、チューブからお皿に出して薬と混ぜるタイプのチーズ味がする補助食品です。特に粉薬や水薬に向いています。犬猫どちらにも使えるので、両方飼っている飼い主にとっては嬉しい補助食品です。
補助食品に粉薬を混ぜ込んでも味がわかるようならオブラートに包んで誤魔化しましょう。手についた薬の匂いをかぎ分ける猫の場合、オブラートで錠剤を包んでおくと作業中の匂い移りを減らす事が出来ます。
嚙んで抵抗する猫におすすめ!経口投薬器を使う
経口投薬器はシリンジ型で先端に薬を保持する事ができ、押し込む事で薬を喉奥に落とす事の出来る道具です。注射器型フィーダー、ピルガン、ペット用薬ディスペンサーなどの名称でも呼ばれています。
特徴は先端を口に差し込む事さえ出来れば、経口投薬器を嚙まれいても投薬できる事です。錠剤を投与する時手を嚙まれる飼い主さんには是非試して貰いたい一品です。
経口投薬器によって対応している薬のサイズが違います。確認して買わないと無駄になってしまいます。また、力を加えて押し出すので部品が緩みやすいです。定期的にぐらつきなどが無いかチェックしましょう。
粉薬もカプセルに入れれば経口投薬器が使えます。溶かして飲まそうとしても泡を吹いて飲み込まない時などに使いましょう。
上手く薬を飲んだら口を閉じて上を向かせる
錠剤やカプセルを包んだちゅ~るや補助食品を上手く飲んだ時は、顔を上に向けて喉をさすってあげましょう。ゴクンと飲み込む感覚があったら成功です。
飲ませたはずの薬を手に隠し持っていた悪い猫 pic.twitter.com/D9em4Y3PoB
— うめ 『東京トイボクシーズ』3巻発売中 (@ume_nanminchamp) January 23, 2020
面倒な投薬を簡単にするために普段のふれあいが大切
猫を膝に乗せて口を開く訓練をしましょう
普段から膝にのる事に慣れさせていると捕まえる手間が省けます。また、膝にのって機嫌が良い時に「あ~ん」と言いながら、下あごの先をつかんで軽く口を開いてみましょう。最初は歯茎が見えるぐらいで大丈夫です。少しずつ大きく開けるようにしましょう。
口を安定して開けるようになったら普段食べているカリカリを薬に見立てて、舌の根元に落としてみましょう。上手く出来るようになったらシリンジで水を与えて飲み込ませましょう。
普段から猫に沢山話しかけて対話しましょう
普段から猫に愛情を込めて話しかけましょう。話す事によって猫の言葉を理解する力が上がります。猫の知能は人間の子供並み(2~3才)と推測されています。その年頃の子供だと簡単な会話ができる頃ですよね。
薬を飲ませたら思いっきり褒めて可愛がろう
愛猫が薬を飲み終わったら思いっきり褒めて可愛がりましょう。薬を飲むのが嫌でも終わったら良い事があると覚えさせましょう。猫は褒めても効果が無いと思う人も居ますが実際は覚えています。
猫のしつけは怒る方法が主流ですが、やってはいけない事を止めた後に褒める事で、よりしつけを覚える効果がある事が研究でわかっています。同じように、薬をあげた後に褒める事で、我慢する価値を猫に覚えさせる事が出来ます。
問題は猫だけじゃありません!飼い主の心構え
猫は普段の日常と違う事を嫌います。その中には飼い主の行動も含まれます。投薬だからと気負わず(変に意識せず)、どっしりと構えて安心して頼れる雰囲気を醸し出すのが大切です。
いつも通りの喋り方で、こちらの焦燥やパニックを悟られないように心がけましょう。
- いつもと違う猫なで声を出す
- ドキドキ感を出してしまう
- あたふたと慌てる
といったことがないようにしましょう。
また、薬を飲まされると察知して逃げる猫もいるので、上手く誤魔化しながら接近しましょう。猫と全然関係ない事を考えながら視線をずらし、のんびりとした動きで警戒心を持たせないようにしましょう。
また猫が威嚇してきた時に怯んでは駄目です。何をやっても無駄であると猫に思わせる態度で優位に立ちましょう。チョロい相手だと思われると、抵抗が激しくなり、薬を飲ます難易度が余計に高くなります。
保定以前にそもそも捕まらない場合
それなりに慣れてる猫ならボーっとしている時にふわりとタオルで覆い、手足をつかんでタオルやフリースで簀巻きにするか、洗濯ネットにタオルごと突っ込んだ後にタオルを取り出す方法をおすすめします。
簀巻きにする時はきつく締めすぎないように気を付けましょう。爪を切っていない猫に洗濯ネットを使う場合は、二重にするなどして穴を開けられても逃げられないように工夫しましょう。
洗濯ネットからタオルを取り出す時はファスナーを大きく開けてはいけません。相手は小さな隙間をくぐり抜けるプロです。タオルを引き抜けるぎりぎりの穴の大きさにこまめに調整して慎重に引き抜きましょう。
普通の洗濯ネット以外に投薬や爪切りに特化した捕獲袋も売られています。上手く保定できない場合はこういった市販品も使ってみてはいかがでしょうか。
どうしても薬を飲ませられないならプロに頼ろう
ペットシッターの中には投薬指導をしてくれる所もあります。ペットシッターに相談をしてみましょう。大体の体重、種類、年齢、薬の種類を聞かれる事がありますので、先にまとめておくと慌てずにすみます。
また、動物病院に相談するのもおすすめです。その病院によって対応は変わりますが、薬の変更や投薬方法の指導などをしてくれる場合もあります。
ブリーダーから猫を迎え入れたり、保護団体から猫を譲渡された場合は、その人達に相談するのも貴重な経験を聞ける事があります。過去の投薬をどうやったのか、兄弟親戚の場合はどうだったのかがわかれば、最適な方法を探しやすくなります。
まとめ
- 錠剤やカプセルを砕いてよいかは、お医者さんに絶対に確かめましょう
- ちゅ~るを混ぜて薬をあげてみましょう
- ちゅ~るを使ってもうまく飲まないときは、投薬用の補助食品を使ってみましょう
- 面倒な投薬を簡単にするために普段から触れ合いましょう
- 飼い主は平常心を愛を胸に「抵抗は無駄だ!」という態度を示しましょう
- 網、タオル、洗濯ネットなどを使い、うまく保定しましょう
- どうしても駄目ならプロに頼りましょう
愛猫の健康を願うなら、投薬は嫌われてでもやらなくてはいけません。とはいえ、便利な道具が色々あるので、猫も飼い主も出来るだけ楽になる投薬方法を探りましょう。ストレスを減らして楽しく健康に過ごすためにも、その猫に合った投薬方法を見付けてあげてくださいね♪